Sportradar、Apptio Cloudability活用による クラウド利用価値を最大化

“私たちは業種の特性として、データを非常に重視してい ます。データの把握、適切 な活用を行うという重要性 を理解しています。Apptio Cloudabilityにより、高いレ ベルでの明瞭なデータ管理 を実現できています。これま で得られていなかった本物 の洞察を得られるようにな りました。”

背景とサマリー

世界有数のスポーツテクノロジー企業であるSportradarは、ワークロードの大半をクラウドに移行することでレジリエンス、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性の改善を図ってきました。

Sportradarはデータ中心の取り組みを進め、ヨーロッパでは年間を通してVisa以上のトランザクションを処理しています。このため同社にとっては、クラウド投資や配信コストと生み出される価値とを紐付けることはきわめて重要です。しかし、クラウドコストの可視性が欠如しているため、投資を最適化できていませんでした。

Apptio Cloudabilityにより、SportradarはFinOps実践をサポートし、クラウドコストと得られる価値、メリットを把握し、ユニットエコノミクスを可視化、適切な領域のコスト削減を含め、スポーツテクノロジーにおける需要に合わせてシステムを拡張する意思決定を迅速に取り組めるようになっています。

課題

Sportradarは22年にわたり、組織的に、また買収を通じて大きな成長を遂げてきました。その成長に対応するには、ビジネスを支えるデータセンターインフラストラクチャへの多額の投資が必要でした。こうしてテクノロジー環境が変化し、スポーツテクノロジー市場が成長し続ける中、同社ではクラウド化の重要性が増してきました。

Sportradarがクラウド化に着手したのは2020年です。ワークロードを移行していく中、コスト管理においての懸念が生じてきました。クラウドは比類のないスケーラビリティと信頼性を提供してくれていましたが、クラウド投資を拡大し始めた初期は、データセンターインフラストラクチャに多額の投資を行っており、ワークロード移行後すぐにはそうしたコストを相殺できなかったため、ビジネス視点ではコストが重複しているとみなされていました。

「多くのビジネスリーダーは、クラウドに移行することでいくら節約できるのかを知りたがっていました」と、Sportradar CIOのIan Poland氏は述べています。「透明性とはITサービスの提供にかかるコストを実際に把握するために必要な情報であり、そうした情報の欠如は問題でした。これは混乱の原因になりました。」

クラウド導入の当初、SportradarはAWS Cost Explorerとサードパーティツールを利用して、同社のクラウドリソースの使用状況を監視し、リザーブドインスタンスを購入してコストを最適化していました。しかし同社はすぐに、そのようなツールには、ビジネス階層やリアルタイムのコスト、FinOpsのInformおよびOptimizeのフェーズを完全にサポートするようなサービスレベル内訳などの重要な洞察を提供する機能がないことに気づきました。

同社は、コストデータを複数のツールからスプレッドシートにインポートし、手動で計算してビジネス部門にクロスチャージすることで、コストデータを該当するチームに配分しようとしました。しかし、これには多大な工数と時間がかかり、会社のクラウドコストについてより良い判断を下すために必要な情報を提供できませんでした。

Sportradar社エンジニアリングイネーブルメント担当ディレクターのScott Dunbar氏は「ギャップがあることに気づきました」と述べています。「コストの可視性を開発者レベルにまで掘り下げるには、より多くの機能が必要でした。」

ソリューション

このニーズに対応するため、Sportradarは2022年にApptio Cloudabilityを購入しました。Dunbar氏曰く、導入はたった1か月で完了しました。6か月も経たずに、ビジネス階層と事業部クロスチャージについての社内的合意の形成、アプリケーション運用が可能となり、クラウドコストデータを統合して必要なチームに配布するという要件を満たすことができました。

成果

クラウドコストの高い透明性を実現

クラウド導入開始当初、Sportradarのクラウドコストに関する可視性は限定的でした。FinOps機能、特にInformフェーズに必要となるデータが不足しており、当時チームおよびクラウド消費が使用していたツールでは理解が困難であり、スケーラブルな形でデータを構成して配分することができませんでした。しかし、Apptio Cloudabilityを導入することで状況は変わりました。

「当社はデータを重視しています。当社のビジネス根幹に携わっているためです」とPoland氏は話します。「私たちはデータの重要性を理解しています。Apptio Cloudabilityにより、高いレベルでの明瞭なデータ管理を実現できています。これまで得られていなかった本物の洞察を得られるようになりました。」

FinOpsチームは、洞察を得られることで同社のクラウド投資を掘り下げ、ビジネス部門のリーダーに配分、チャージバック、コスト要因に関する情報をより明瞭な形で提供できるようになりました。こうした情報によって、クラウドリソースや実際のコストを正しく把握できるだけでなく、ユニットエコノミクスの計算を可能にし、クラウドコストが同社の最終的な収益にもたらす価値がどれほどであるのかを、誰もが理解できる状態になります。

Poland氏は「今は、サービスを提供するためのコストを正確に伝えることができます。販売製品のマージン貢献度を計算できます」と述べています。

トランザクションコストの削減

Sportradarのビジネスモデルにとって、トランザクションコストをできるだけ低く抑えることは非常に重要です。なぜなら、同社は膨大な量のトランザクションを処理しているためです。

Apptio Cloudabilityにより、Sportradarのマネージャーや開発者はトランザクションコストを抑えるために役立つ洞察を得られるようになりました。その一例として、Apptio Cloudabilityデータによって、開発者はアプリケーションがAmazon DocumentDBを利用しているコスト状況を精緻に把握できるようになりました。「Cloudability上で、コスト負荷が高いところはすぐに明らかになります」とDunbar氏は述べています。「アーキテクト主任はAmazon DocumentDBでのインデックスおよびキー検索ID管理におけるカスタマイズ、データ調査および保存方法を変更することでコストの削減に成功しました。」

別の例では、Apptio Cloudabilityから得られる洞察に基づき、別のテクノロジーにシフトすることでトランザクションコストを削減することに成功しました。Dunbar氏曰く「Kubernetesクラスターで特定のサービスを実行していたことで、コストが高くなっていました。これをAWS Fargateにシフトした結果、トランザクションコストを90%削減できました。」

ワークロードのライトサイジング

Sportradarでは、スピードと柔軟性が非常に重要です。そのためクラウドサービスの利用において、開発者に課せられる制約はほとんどありません。ただし、これはコスト意識を高く持たないということではありません。

ここでApptio Cloudabilityが有効になります。「スプリントのライトサイジング計画があるとしましょう」とDunbar氏は続けます。「Cloudabilityからライトサイジング データを出して、リソースを限定し、ワークロードのライトサイジングに集中できます。特に最初の取り組みでは、大幅な節約ができました。」

Dunbar氏によれば、実際このメリットは還元されて、Apptio Cloudabilityがもたらす可視性がさらに向上しているとのことです。「Cloudabilityにより、特定のタイプのサービスに関する具体的なレポート、およびダッシュボードを生成し、また異常を検出することもできます。特定のサービスが間違った使われ方をしている場合は、Cloudabilityでその状態を確認し、対策を取ることができます。」

今後のステップ

Sportradarのクラウド管理は大きく前進し、クラウドコストに関する実用的な洞察を提供できるようになっています。Poland氏は、この成功はCloudabilityの機能と各ビジネス部門のリーダーとFinOpsチームとの連携の賜物だと考えています。

「共通理解を持った上でのコミュニケーションが重要です」と、Poland氏は話します。「チームレベルでのエンゲージメントにより継続的な取り組みが実現できます。FinOpsチームには、毎日が学びであり、Apptioの教育サービスを通じて、互いに情報を共有し、同じ道のりを歩むことができるようになっています。」

Poland氏によれば、今後のステップは、開発者レベルまでコスト理解を広げ、業務に集中しながら、コスト意識を高めていくことです。

「FinOpsグループとしての今年の目標の一つは、開発者までその効果を広げることです」とPoland氏は述べています。「ソフトウェア開発においてコストをどのように管理すべきか、といったことを自問自答してもらいたいのです。遡及的にではなく、最初からどのように最適化を考慮すべきか? 特定の業務でAppがS3にクエリする回数を変えた場合に、サービスのコストを下げることができるのか? これによって、コードレベルでFinOpsを実践できるようになります。これが私たちが目指しているものです。」

Cloudabilityのメリット

Apptio Cloudabilityは、コスト最適化を実現し、開発者をサポートし、開発者が求めるペースおよび詳細レベルでの情報を提供します。CloudabilityのWorkload Planning機能では、開発者は、展開前に細部を計画し、クラウドプラットフォーム(カスタム料金を含む)間のワークロード コストを比較できます。このため、計画したワークロードに必要なリソースが予算に及ぼす影響を正しく把握することができます。また、シナリオ分析の実行機能、計画ワークロードのチーム間共有機能により、テクニカルチームや財務、ITリーダーは、コストに応じてワークロードを最適化し、展開前に予算内に収まるように調整することができます。リソースを展開した後の開発およびテストでは、Cloudabilityの推奨ライトサイジングによって、本番環境においても継続的なコストおよびパフォーマンスの最適化を行うことができます。推奨ライトサイジングは、数百万時間の利用データに関するトレーニングを受けた機械学習アルゴリズムによって裏付けられています。リソースレベルでも推奨情報を得ることができ、各リソースの実際のパフォーマンスと利用データを分析することで生成されます。GPUを使用するインスタンス、自動スケーリング、マネージドインスタンスグループ、コンテナ、またAWS、Azure、Google Cloud Platformが提供している各種サービスの大半について複数の推奨シナリオが生成されます。

リアルタイム分析と複数シナリオのプロアクティブな推奨を実践することで、開発者はワークロードおよびアプリケーションに最適なタイプのインスタンスを把握し、削減額をトラッキングできます。必要に応じて設計し直すことで、会社全体に大きなコスト削減効果をもたらします。

Apptio Cloudabilityのデモをご希望の場合はお申し込みください。コスト可視化、カスタマイズレポートによって、トランザクションコストを削減し、クラウドコストについて迅速かつ効果的な意志決定を下すことができます。

Additional Resources

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