2022年IT予算を考え直すための戦略

現在の厳しい経済情勢下では、慎重かつ論拠を持ってITコストを削減しながら、一方ではイノベーションには継続的に資金を捻出していく必要があります。

昨今の新型コロナパンデミックの継続的な影響、サプライチェーンの問題、ウクライナ戦争、歴史的なインフレの影響など広範な経済的逆風を受けて、テクノロジーリーダーはテクノロジー投資の練り直しを迫られています。TBM Councilのメンバーを対象に実施したアンケート調査では、回答者の58.2%が今後の景気後退が自社ビジネスに影響を与えることを懸念していると回答しています。最近のGartnerのレポートでは、2022年のIT支出全体の伸びが4.0%から3.0%に低下していることが示されました。

年初に承認されたIT予算では、ビジネスが今必要としているものに応えきれていません。しかし、切迫感を持つべき一方で、軽はずみな選択をしてはなりません。誰もが計画の練り直しの範囲やその目的について理解できるように、よく練られたデータ主導型での意思決定が不可欠です。

コスト削減が必要であることに疑いの余地はありませんが、コスト削減は適切な領域で行うべきであり、イノベーション資金を犠牲にしてはなりません。経済の風向きは必ずいつか再び変わります。その時点で、継続的にイノベーションに投資をしてきた組織は、経済低迷期に投資を止めていた競合他社をしのぐことができるでしょう。

2022年でのIT予算練り直しにあたって、Apptioのお客様が取るべき3つの手順をご紹介します。

1. 今のうちに積極的にテクノロジー予算の計画を練り直す

計画の練り直しを迅速に完了し、ITの観点から総勘定元帳に詳細を示す必要があります。Apptioのお客様は、ベンダーの見直しや事業部門によるIT利用の削減、インフラやアプリケーションポートフォリオのフットプリントの調整など、アクションすべき機会を特定してIT支出を最適化し、即時にコストを削減しています。どの支出を削減できるかを明らかにし、最も価値のあるIT投資を守っていくために、ベンダーやイニシアチブ、プロジェクトごとのIT支出をはじめ、ランニングコストと変革のための費用の比較、事業部門ごとの利用状況などを細かく把握していく必要があります。

Cloudabilityスイートソリューションを利用して、当社のお客様は、ライトサイジングの推奨によって短期間でクラウドコストを25%削減し、ベンダーやSaaSの支出を10%削減、全体消費の3~5%を調整するなどを実現してきました。さらに、ApptioOneを利用すると、複数の計画シナリオの相殺や差分分析を最高75%スピードアップし、変化する市場環境に迅速に対応することができています。Apptioのソリューションを利用すると、信頼に足る、データ主導型でのインサイトを得ることができ、デジタルイニシアチブのROIを判断し、コスト削減においても賢い決定を下すことができます

2. 事業部門と協力してITの利用を見直す

多くの組織は全体的支出の削減によってコスト削減要求を満たそうとします。これは迅速でシンプルなアプローチですが、戦略的な動きであるとは言えません。全体的な支出削減では、事業部門によるITの利用方法が見過ごされ、ランニング/事業運営(RTB)と事業成長(GTB)に必要な支出の区別が無視されることになります。

自社の組織において事業部門のIT利用状況を把握できていると仮定しましょう。この場合、賢く戦略的な決定を下して、無駄を排除しつつ経済の不確実性から生じる影響を抑制できるイニシアチブに投資できるでしょう。RTBを削減して、GTB支出は維持、増額します。

財務、テクノロジー、事業部門のリーダー全員が理解できる、共通言語となるデータ基盤、そしてデータに基づいたインサイトが必要とされています。オンプレミスでもクラウドでも、事業部門全体でのハイブリッドIT投資やIT利用状況を総合的に把握できると、テクノロジー支出を最適化してイノベーションを進め、クラウドを自社の競争力として生かすことができるでしょう。Apptio上で信頼できるデータ可視化ができていれば、組織全体で協力して過度なIT支出、重複したIT支出を特定し、最適化していくことができます。

また、機械学習を生かしてデータの取り込みや分析を自動化し、データ主導型のインサイトを把握できる統合コストモデルも必要です。Apptioはデータを、アクションにつながる強力なインサイトに転換することができ、CIOやCFOはビジネスリーダーとのコミュニケーションが取れるようになり、ITの利用について変えていくことができるのです。Apptioを利用すると、ビジネスリーダーとの協働が進み、信頼性の高い論拠のあるテクノロジー投資の決定を下すことができるのです。

3. 迅速で情報に基づいたテクノロジー投資の意思決定を行う

コスト削減は大切ですが、必要な投資を守ることはやはり極めて重大です。イノベーション資金を捻出するための鍵は、雑然としたポートフォリオを整理し、最も高いリターンの見込める機会にリソースを振り向け直すことです。SaaSはITソリューションとしてアクセスしやすく、企業は同じビジネス機能を持つ複数のソリューションに重複して支出しやすい状況も生み出しました。また、ボリューム利用による割引を生かす機会が見えにくくなっています。ポートフォリオを合理化して整理すると、デジタル変革投資により多くの支出を振り向け直すことができます。新たな収益源を作り出す一方で、自社の基礎をしっかりと保つことができるでしょう。

Apptioは、デジタルイニシアチブに関する価値やROIの追跡、アイデアの捕捉や業務の優先付け、データに基づいた事業部門間の協働の推進、事業目的に紐づくテクノロジー投資の最適化をご支援できます。Apptioからのデータ主導型のインサイトを用いると、持続的な成長のために、より価値の高い取り組みに投資を振り向けることができるでしょう。

Apptioはグレート・リセッションのさなかに設立され、お客様のテクノロジー予算に関する計画の練り直しや注力分野の変更を手助けしてきました。その後15年が経過しても当社のお客様は依然として当社ソリューションを頼りにしています。テクノロジー投資全体を把握し、計画策定や課金、ベンチマーキングをはじめ、資産やベンダー、クラウドや人件費全般にかかる最適化に向けて当社のソリューションをご利用いただいています。クラウドソリューションやプロダクト主導型の開発によってIT業務モデルが進化する中で、Apptioのソリューションも進化しています。お客様はテクノロジー投資について賢く意思決定し、長期的に価値を生み出していくことができるのです。

Apptio ブログの今後の投稿にご注目ください。変化するIT支出データ、計画練り直しに関するTBMリーダーの見解、上記で取り上げた内容が自分の組織にどのような意味を持つのかについて、さらに掘り下げていきます。

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