この夏、対面式のイベントが復活し、ApptioのEMEA User Conference、Americas User Conference、TBM Council Board of Directors Invitationalにおいて多くの方々とお会いすることができました。ともに時間を過ごしたことで繋がりの強さを感じ、また、経済がインフレに見舞われ、長期化するウクライナ戦争やサプライチェーンの問題が、広範囲に経済の逆風となっている中で、誰もが同じような課題に直面しているということを再認識する機会となりました。
Apptioは15年前のグレート・リセッションのさなかに設立されました。当時、当社のお客様は、データセンターの支出を最適化し、アプリケーションとサービスのコストを削減することを模索していました。しかし、パブリッククラウドやSaaSの急速な普及、プロジェクト主導からプロダクト主導への移行により、テクノロジー組織はこの10年間で大きく変容を遂げました。意思決定者が、テクノロジー支出についてより詳細かつ迅速な可視化と洞察を必要とし、最も価値のあるものの提供に向けてIT投資の優先付けや調整を迅速に行う能力がますます求められるようになっています。その中で、当社のTechnology Business Management(TBM)ソリューションは、こうしたニーズに応えるべく進化を遂げてきました(この点についてはAmericas User Conferenceでのプレゼンテーションで詳しく紹介しました)。
皆さんが共通して強調していたのは、さらなる効率化、デジタルファーストの推進、パブリッククラウドの導入が進む中で、今が、それらのテクノロジー投資に費やしたすべての資金から確実に価値を引き出しているかどうかを確認するべき、ビジネスにとって非常に重要な時期であるということです。Apptioでは、当社製品からお客様がより多くの価値を得られるように、顧客重視のイノベーションへの取り組みに注力しています。
当社が注力している主要な分野をご紹介します。
クラウドの成長と規模の拡大
当社が世界5カ所のデータセンターからのクラウド移行というユニークな取り組みを続けていることは、多くの方がご存知かと思います。この取り組みは2年半前に始まり、2022年6月に終了しました。この移行は、多くの方が私に話してくれたニーズ、すなわち、クラウド成長イニシアチブの進捗を取締役や経営幹部に効果的に伝え、財務やオペレーションの観点から進捗を定量化することができる、というニーズに対応したものです。
オンプレミスからクラウドへの移行を、過剰な支出をせずにスムーズに行えるというのは重要なことです。オンプレミスのCapEx主体の支出からOpEx主体の可変的なクラウド支出モデルに移行していく中で、成長するクラウドコストを常に把握し、重複するインフラ支出を最小限に抑える必要があります。ApptioOneとApptio Cloudabilityは、支出ベースラインの把握や追跡、成長計画の定義、予算の設定、オンプレミスとクラウドのワークロードの最適化に役立つものです。これにより、OpEx支出とCapEx支出に関連する最新情報を把握でき、クラウドトランスフォーメーションを効果的に管理できるようになります。
クラウドへの移行および拡大によりクラウドファーストの組織になったことで、総勘定元帳、クラウド請求データ、サービス管理、ベンダーデータ、ソリューションの利用状況データなどのより多くのデータを処理し、何百もの様々なシステムにわたる何十億ドル規模の支出、インフラ規模の把握を可能にしました。また、パフォーマンスを大幅に改善し、計算時間を短縮することで、顧客がテクノロジー投資に関する意思決定をよりリアルタイムで行えるようになりました。
FinOps
可視化、最適化、説明責任の推進は、FinOpsの重要な原則です。クラウドプロバイダーが次々に打ち出すサービスに対応しながらFinOpsへの対応を実現するために、Apptio Cloudabilityにおいて昨年は100以上の機能を提供し、GCP、Azure、AWSにまたがるコンテナとマルチクラウド支出を最適化する革新的な取り組みを続けています。
クラウドの請求書には何百万行にも及ぶデータが含まれており、そのままでは分かりづらく、クラウドリソースのライトサイジングや、オーナーシップの不明なクラウドリソースの特定といった最適化の機会が見いだしにくくなっています。Cloudabilityは、マルチクラウド環境全体にわたるライトサイジング機会を特定できます。Auto Scaling Group(ASG)やGPU型高速化コンピューティングインスタンスの推奨ライトサイジングにより、EC2利用を最適化するための新機能も含まれています。また、人件費やサードパーティソフトウェアの支出をも網羅することができるユニットエコノミクスビューも提供し、クラウドサービスを利用した製品やサービスの収益性の全体像を把握できるようになっています。
統合されたデータとアナリティクス
データを調査し、カスタムアナリティクスやダッシュボードを作成してサービスコストや実績と予算の比較を示し、消費状況とコストを組み合わせて分析することは時間がかかるプロセスであり、テクノロジー投資の改善に向けたアクションを阻む可能性があります。このような課題に対応するために、当社は、すべての製品にわたって統合されたデータエクスペリエンスを提供できるように投資してきました。まず、Automated Data Managementサービスをリリースしました。Apptioのすべての製品に跨るデータを、手動によるデータ転送ではなく自動化できるようになり、製品ポートフォリオ全体での計画作成を容易にしました。ある製品で実績を更新すると、即座に他の製品の計画にもそれが反映されるということです。
次に、Apptio BI Out-of-the-Box Reportsをリリースしました。これは、Apptio が作成したレポートやインサイトを直接Apptio BI で公開するためのプラットフォームになります。公開されたレポートはそのまま利用することも、ビジネスニーズに合わせて独自のレポートをカスタマイズして構築するためのスタート地点として利用することもできます。Apptioのポートフォリオ全体を網羅し、Apptioのデータソースへのリアルタイム接続、システムが生成するアラート機能により、レポートの作成と分析に費やす時間を短縮できるため、チームはコスト削減機会の特定や実行に集中できるようになります。
バリューストリーム、リソース、キャパシティ管理
アジャイル導入を拡大する中で、大規模組織では、自律的なチーム間の調整に苦労しています。さらに、最優先事項であるリソースを確保できているかどうかという疑問も生じます。アジャイルチーム数が増えるにしたがって、SAFe、LeSS、その他のカスタムエンタープライズアジャイルフレームワークのどれを使用するとしても、取り組みを調整し、リソースを効果的にマッピングし、ビジネス全体の目標との整合を確保するためのソリューションが必要です。
業界をリードする財務管理プラットフォームである、ApptioOneに直接統合する唯一のソリューションであるApptio Targetprocessは、戦略と実行を結び付け、パフォーマンスと無駄を測定してプロセスを最適化し、組織全体のバリューフローを間断なく且つ高度に可視化し、提供される価値の計測と最適化を実現します。
Apptio、TBM、イノベーション
Technology Business Management(TBM)は、イノベーションの促進に向けたテクノロジー投資の管理や統制に役立つ、核となる重要なメソドロジーです。この困難な時代において、財務リスクを軽減しつつ、体系的かつデータ主導型で、継続的にビジネスを成長させることができるテクノロジーソリューションに投資することが可能になります。Apptioの初期のお客様は、かつてのグレート・リセッション時代に当社製品を利用してこれを実現し、15年を経てこの運用モデルを何度も繰り返した後でも、今も同じように当社製品を頼りにしていただいています。
現代の課題を解決するには、人材、プロセス、テクノロジーのすべてで対応することが必要です。この三位一体の重要性は目新しいものではありませんが、デジタル変革の道のりにおいて非常に重要となります。イノベーションは、Apptioの中核です。当社のイノベーションによって、お客様は、常に進化するテクノロジー投資の課題に対応できます。
TBM Councilとのパートナーシップによる次の大規模イベント、第10回年次 TBM Conference(テキサス州オースティン、11月7日~10日)にぜひご参加ください。交流を深め、TBMにおける成功体験を共有し、当社の顧客視点を重視した今後のロードマップをご理解いただける絶好の機会です。今すぐご登録ください。