多くの組織が IT コストの特定と管理に重点をおき、より広範囲なビジネス透明性を実現していることを背景に、IT リーダーの間では IT 財務管理 (ITFM) ツールの需要が高まっています。しかし現状は、ITFM に非常に詳しい先駆者もいる一方で、ITFM ツールとは何か、あるいはそれが何に役立つのかを完全に理解していない IT リーダーのほうが多いでしょう。
» 詳細はこちら: IT ローリング予測の段階的プロセス
テクロノロジー リーダーは ITFM ツールによって、ビジネス部門や他の同僚らと同じように、財務の可視性、規律性と精度の高いプロセス主導型のビジネス管理ができるようになります。ITFM ツールは、IT 部門が何に支出しているかを正確に可視化します。IT 部門向けの財務会計として、組織のリソースがどのように使用されているかを把握するための強力なツールです。
ITFM ツールの仕組み
「IT財務管理ツールを採用する主な理由のひとつに、コストインサイトが挙げられます。このコストインサイトは、実際のビジネス運営コストに基づく透明性のあるコスト配賦/チャージバック戦略を策定するために必要なものです」と Apptio パートナーの 6fusion は話します。
「IT 組織は、規模や PC 台数を基準にして利用部署に請求するのではなく、より実際に利用している支出金額を提示できます。これにより IT 部門は社内サービスプロバイダーとして、社外のサービスプロバイダー料金設定と同じような対応が可能になります。サービスの料金設定は合理的で正当な方法で提示されます。」
この情報にたどり着くには、ソフトウェア、ハードウェア等すべての IT ソフト コストに関するデータを総勘定元帳から直接引き出します。データ モデルを適用して、管理目的のためこれらのコストをスタックおよびコスト センターにまとめます。ここから主要レポートが構築され、すべてのステーク ホルダーがアクセスできるようになります。これにより、まったく新しいレベルの可視性が実現し、より優れた配賦の意思決定が可能になるとともに、投資のためのイニシアチブが加速し、さらなる IT 投資効率性が促進されます。
必要性を検討する
市場の成長を牽引する ITFM ツールを導入することにより、IT 財務管理の取組みを開始または改善しようという組織が増えています。
しかし、ITFM ツールを購入する前に、なぜそれが必要なのかを理解しましょう。そうすることにより、適切なツールを選択するうえではるかに明確な根拠が得られます。Gartner 社によれば、ベンダー選出の前に検討すべき質問は次の 5 つです:
- 要求事項は何か?
- 解決すべき課題は何か、その理由は?
- エグゼクティブ スポンサーは誰か?
- IT 財務改善への関心を促進するものは何か?
- ITFMに対する関心 (リソースを提供する積極的姿勢) はあるか?
- より良い IT 財務管理に特に強い関心を持っているのは誰か?
これらの質問への回答は、ITFM の「何に」に影響を与え、その「方法」を特定すると同時に、「どこから始めるべきか」という質問の答えにもなります。
»詳細はこちら: IT プランニングには専用ツールが必要
ベクトルから始める
ITFM ツールを購入する前に、IT リーダーは現状と直近の目標を最も的確に表す 1 つの「ベクトル」を決定する必要があります。Gartner 社によれば、ITFM ツールを検討する出発点として最も多く採用されているのが「最適化ベクトル」です。
「最適化ベクトル」が最もよく用いられる理由
最適化ベクトルを用いている組織に共通するのは、コストの特定と管理に重点を置いていることです。通常、そうした人は中級から上級の IT マネージャーで、IT コスト管理の利点を理解しています。
このベクトルを用いる組織は、IT 財務管理において外的圧力を受けません。単に、より費用対効果の高い IT 財務管理の価値を認識することに対してオープンなだけです。
これにより、次のことが可能になります。
- IT 運用効率の改善
- 支出管理の改善
- ユニット当たりコストの低減
- 予算定義と予算確保能力
- プロダクトミックス最適化の予算決定と予測精度向上
コスト効率を高める IT 管理のその他の利点として、事実に基づく資金調達の決定、リソース利用率の改善、ビジネス関連性の改善などが挙げられます。
このレポートによれば、最適化ベクトルを用いる IT リーダーは (他のベクトルに比べて) 時間に余裕があるだけでなく、コストの透明性を証明するという外部圧力も限定的にしか受けていません。
Gartner 社の調査によると、多くの事例において、利用部門に対する IT 財務透明性の向上は CIO や CFO にとって主要優先事項ではないことがわかっています。その理由は、コスト モデルが事業価値サービス レベルまで行かずに資産または技術レベルでのみ構築されているからです。
これにより、テクノロジー コンポーネントのベンチマークと最適化が可能になります。レポートによれば、経営陣だけでなく、IT 組織内のメンバーでさえもが同じビジョンを共有できていない可能性があることが課題となっています。
Gartner社が推奨する最適化ベクトルにおける次のステップ
- 活動 (IT タスク) コストを算出する – 合計コストの集約は、コストを理想的なコスト モデルやサービス モデルにマッピングすることよりも重要です。
- データの精度とソーシングの改善。必要となるデータについて、正確か、アクセスするには何が必要かを検討します。
- 要求を明確化し、エグゼクティブ スポンサーを特定する。
- コスト作業の優先順位を決め、最優先事項を最初に取り組む。優先事項は支出/コスト配賦に相関します。
- 利用部門と協力して何に価値を置くかを理解する (製品・サービスを徐々に絞り込む)。
Apptio の経験では、どの IT組織も IT タスクのコスト計算とデータ精度の改善 (ポイント1-2) に苦心します。ITFM プログラムを開始する前にデータクリーニングをしなければならないのではないかと考え、怖気づく方もいるかもしれません。
こうした課題から、Apptio は Technology Business Management アプリケーション スイートを構築しました。Apptio Cost Transparency によって、IT コストのカテゴリ分類と計算を毎月自動的に実行できます。まず、作業を共通のコスト プールと IT タワーから開始して、アプリケーション、サービス、利用部門へと昇って行きます。データ品質の課題に対応するために、Apptio はネイティブ データ修正機能を TBM アプリケーション スイートに組み込んでいます。Apptio のプラットフォームはどの形式の顧客データも取り込み、内部でクリーンアップと精製を行うことが可能です。コストのかかるデータ クリーンアップ作業も省略できます。データの現状がどのようなものであれ、Apptio Cost Transparency は迅速なITコスト管理を実現します、その仕組みをご説明します。
IT 財務管理 (ITFM) プロセスにカレンダー ビューがあるか?
It、財務、利用部門を、年間を通じて進行していく IT 財務管理 (ITFM) プロセスの統一スケジュールに組み入れます。IT、財務、利用部門のステークホルダーが上流と下流の依存関係のビューを把握していないと、ITFM プロセスは遅れ、不正確になってしまいます。
ITFM タイムライン、日付、プロセスを追跡し続けることの難しさ
IT 財務管理 (ITFM) の実践内容は、会社によってタイミングも戦術もテンプレートも異なります。しかし、ITFM プロセスをスプレッドシートで管理しようと試み、苦労するケースが散見されます。複雑な部門を抱える組織には、より優れたものが必要です。多くの会社にとって、年間予算プロセスを完了するだけでも 3 か月から 6 か月はかかります。これでは、重要かつ基礎的な ITFM アクティビティである月末締め、差異分析、さらには予測と QBR、IT 投資レビュー、ビジネスへの IT 請求チャージバックといったより広範囲な組織のマイルストーンの構築に充てるべき多くの時間と工数が奪われてしまいます。
ITFM プロセスで提供するべき工程を見失ってしまうことも多く起こります。Apptio は、数千人の IT 財務専門家と関わってきた経験から、ITFM カレンダーを追跡し続けることがいかに大変かを知っています。
ご苦労はよく承知しています。ぜひそれを容易にするお手伝いをさせてください。
Apptio では、ITFM プロセスの主要な期日 (および対象のステークホルダー) をマッピングした ポスター を用意しました。
四半期ごとのプロセスを 1 か所で追跡でき、終えたら次のレポート期間に取り掛かることができます。
»ビジネス優先軸と整合した予算と予測を計画、変化への迅速な対応を支援する、次の資料をぜひダウンロードしてください: